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7月6日(現地時間)、”第3のメジャースタジアム”ランシットスタジアムで現地のナックモエと全面対抗戦を行なう。 (文・布施鋼治) 一昔前、日本のキック団体が複数の日本人キックボクサーを引き連れて遠征することがよくあった。しかし、キック界の価値観の変化とともに激減。今回のように5名という大所帯で遠征することは、いったい何年ぶりになるだろうか。 ランシットはラジャダムナン、ルンピニーに続いて長い歴史を誇る、第三のメジャースタジアムだ。収容人員は約4000名。他のスタジアムと違い、入場ゲートを設けたりするなど、演出面でも工夫を怠らない会場として知られている。 今回大将を務めるのは同スタジアム認定初代インターナショナルバンタム級王者に君臨していた志朗だ。体の成長に伴い、スーパーバンタム級への転向を決意。王座を返上して新たな階級での闘いに挑む。今年1月以来、実戦からは遠ざかっているが、連日96ピーナンジムで調整は続けており、コンディションは万全。現地のムエタイ関係者から絶賛された、2012年11月のシーモーク戦以来、1年8カ月ぶりにランシットのリングに立つ。 また先鋒戦では志朗の弟分として知られ、日本フライ級のランキング(3位)に名を連ねるまで成長した麗也が出場する。 その他の出場メンバーも実力派揃い。MA日本スーパーフェザー級王者の中向永昌は、4月13日に”最強の挑戦者”KING皇兵を相手に初防衛に成功したばかり。今年2月にはイノベーション同級王者の狂平を内容で圧倒した。いま、乗りに乗っている日本王者のひとりといっていいだろう。 中向の盟友である松崎公則はWPMF日本スーパーフライ級王者(4月下旬現在)。かつてはタイ東北部コーンケンに1年ほど滞在。現地の学校で日本語を教えていたという個性派だ。現在38歳とベテランの年齢だが、「今年は伝説のオヤジになる」と鼻息は荒い。 また、新宿レフティージムに所属する清川祐弥は”左ミドルの貴公子”と呼ばれるサウスポー。今年2月には”日本人キラー”として名を馳せるヨーユットをKOで葬り、成長ぶりを見せつけた。 気になる対戦相手は日本人選手の試合映像を見ながらスタジアム側が選考中。また、この大会はテレビで生中継されることも決定しているため、現地の関心度も高いという。果たしてどんな激しい闘いが繰り広げられるのか。打倒ムエタイのロマンは生きている。