ISKAムエタイ世界バンタム級王者・志朗が、ルンピニースタジアムのテレビマッチ『スックルンピニームエタイTKO』に出場した。
志朗は、昨年12月9日と今年1月13日の同テレビマッチでそれぞれTKO勝ちを納めており、強打の一発を持った日本人選手としてその名をし知らしめた。
今回の対戦相手ダ―プグンは最近では7ch(BBTV)でのテレビマッチの出場が多い選手だが、
ここ最近の志朗の活躍はギャンブラーからも認知されており、試合前レートは志朗有利5:4という好評価を得ていた。
さらには「志朗は何ラウンド目にKO勝利するのか?」というKO勝ちするラウンド数を当てる賭けまで発生しているほどだった。

試合は初回、志朗はローキックで相手の出方を探る。2ランド目も大きな動きはなかったが、志朗の安定した試合運びにより、賭け率も志朗有利5:2へとひらいていった。
3ラウンドに入り、ダ―プグンは組んできた。志朗のパンチやローの強打を封じ込め、首相撲から突破口を見出したいのだろう。
ダ―プグンは、まず鋭いミドルキックを蹴り、そこから一気に距離を詰め、むりあり首相撲に持ち込む。
それまで大人しかったダ―プグンが生き生きと力強く膝を出し始めた。
そして離れた間合いでは、志朗の右ストレートにカウンターでテンカオ(膝蹴り)を刺す。
時おり志朗の重いパンチがダ―プグンの顔面を捉えるも、ダ―プグンの力強い膝攻撃が評価され、勝敗賭け率は5:4志朗有利と差を縮めてしまう。
4ラウンド、勝負のラウンドだ。3ラウンドから勝負に出てきたダ―プグンの攻撃を、このラウンドでも許してしまうのか…
そうなれば勝敗に左右する場内賭け率も、ダ―プグン側に傾いてしまうかもしれない。

だが序盤は威勢よく攻めてきたダ―プグンだが、このラウンド中盤になって一気にて膝数が減る。3ラウンド中にスタミナを使いすぎてしまったのか。
ここから志朗のローキックからのパンチ炸裂。志朗の重いパンチを一発食らうとダ―プグンは一瞬動きが止まり、それだけでも賭け率を志朗側に引き戻すには十分な素材だった。
さらに志朗は容赦なくパンチとローを連打。そして距離を詰めたところをダ―プグンの首をかこって膝蹴りの連打。
この一方的な志朗の攻めの連続で、この時点で「志朗が圧勝するだろう」という見方が強まり、場内の賭けも終了した。
最終ラウンド、ダ―プグンは逆転を試みて組んでくるが、志朗はダ―プグンの攻めを捌くと、ここで力尽きて試合をあきらめる。そして試合終了ゴング。
志朗はダ―プグンに大差の判定勝利。これで昨年末からルンピニーで3連勝となる。

今回志朗は4ラウンドからの攻防で、スタミナ面や、体勢捌き、そうした合間に強打のパンチを当てることなどで、相手の出鼻をくじくなど、
試合後半になってからも力強い試合運びができるという事を場内に知らしめ、また新たな信用を得る事ができた。
この信用度を得る事の積み重ねが、現地で勝つ事への大きな武器となってゆく。
早ければ4月初めに、またルンピニーか他でのビックマッチでの起用の話がきているという。
志朗から勝利の声が届いている。
「日本からの沢山の応援ありがとうございました!3連続KOは出来ませんでしたが連勝出来たので次は大きな舞台で試合が出来ると思います。5月にISKA世界防衛戦を予定しているので、その時は応援よろしくお願いします」
PHOTO&TEXT:Hiroshi Soda(早田寛)
試合データ:2018年3月17日
タイ ルンピニースタジアム
ムエタイギャットペットスーパーファイト(志朗 KICK REVOLUTION)
第7試合 122P契約
シロー・ペットギャットペット
VS
ダープグン・ダープランサラカーム
(結果:志朗 判定勝利)