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 最近フライ級戦線がじわじわと注目され始めている。2月15日にはNJKFの後楽園ホール大会には日本フライ級王者のHIROYUKI(藤本)が乗り込み、NJKF同級王者のニモ(キング)とノンタイトル戦で激突。かわいい顔をしたヒジ使いとして名を馳せるニモから右ストレートでダウンを奪って判定勝ちを収めた。

ベテラン勢も元気だ。2月11日のMA日本後楽園ホール大会では薩摩3373(さざなみ・TARGET)が高校生王者の隼也ウィラサクレック(WSR)を首相撲で圧倒。見事初戴冠に成功した。3月4日のREBELS-WPMF JAPAN合同興行では39歳の松崎公則(STRUGGLE)が24歳の矢島直弥(はまっこムエタイ)とデットヒートを繰り広げた末にスピリットデシジョンでREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得するとともに、同大会のMVPとベストファイト賞を獲得した。
昨年8月、日本フライ級戦線のトップに躍り出た感のあるHIROYUKIと日本フライ級王座を争った麗也はその中に割って入ろうとしている
「身体の強さとスピードは少しずつ上がっていると思います。HIROYUKI戦の敗因? やっぱり気持ちの部分で負けたと思います。あとはスピードが足りなかった。相手の方がそこの部分は上だったかなと思います」
もっと強くなるために努力は重ねている。同じ階級で意識せざるをえない選手がリングに上がる時には、できる限り会場に足を運ぶようにしている。ニモVSHIROYUKIが行なわれた後楽園ホールにも足を運んだ。

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最近は志朗と同じ体幹トレーニングもやるようになった。鏡を見たら、その変化は一目瞭然。麗也は全体的にデカくなったと誇らしさと照れが入り交じった笑みを浮かべた。
「肩や胸のあたりが気に入っています」
童顔のせいでまだ中高生のイメージがある麗也だが、今年10月の誕生日で20歳を迎える。もう立派な大人である。本人は「十代のままの方がいい」と訴えるが、時は待ってくれない。現役生活を送れる時間はあっという間に過ぎていく。まずはHIROYUKIから日本フライ級王座を奪うことを目標に置く。
「あと3~4か月練習すれば勝つ自信はあります。もう一度チャンス(タイトルマッチ)をもらえたら、階級を上げてもいいかなと思っています。ただ、その前に一回はフライ級でチャンピオンになりたい」
そう誓う麗也にとって、3月17日のガイチョン・ソーチャイワット戦は試練ともいえる5回戦だ。ムエタイを志向する者として、本場でのファイトをないがしろにするわけにはいかない。誰の目から見ても、軽量級は間違いなくタイが一番強いのだから。

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「試合映像は見ていません。あったら観たいですけど、(事前に相手の試合映像が見られない試合は慣れているので)大丈夫です」
昨年7月に開催された『KICK REVOLUTION2014』では先鋒戦でブアカーオ・ジャンタラウボンに快勝したが、4か月後初めて上がったルンピニースタジアムでは途中まで試合を優勢に進めながらも3Rにヒジ打ちによるまさかの逆転KO負けを喫してしまった。
ムエタイの世界ではレベルが上がれば上がるほど、一瞬の油断が命取りになることを身をもって知った。どんなテクニックもアベレージ以上にこなしたうえで、突出した武器を持たなければタイでは通用しない。
「ムエタイスタイルで勝負したいけど、首相撲の攻防になったら不利だと思うので、ミドルキックで仕掛けたい」
3月2日に機上の人となった麗也は、現在96ピーナンジムで最終調整に励む。志朗の背中を見ながら成長中の19歳は選手としてのターニングポイントを迎えようとしている。

文・布施鋼治、写真・早田寛(試合写真)

麗也の公開練習w

▽「KICK REVOLUTION2015」(3月17日、ランシットスタジアム)

▽フライ級5回戦
麗也(96ピーナン/BeWELL)
VS
ガイチョン・ソーチャイワット(タイ)