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時は来た。BeWELLで合同練習が実現!

2月上旬、埼玉県さいたま市のBeWELLで、3月17日ランシットスタジアムで開催される日本-タイ全面対抗戦に出場する6名の日本代表が集結。日本キックボクシング界ではひじょうに珍しい合同練習を行なった。

ウォームアップ代わりに選手たちがシャドーボクシングをするだけでも緊張感が漂ってきた。十数名の一般会員は遠巻きにその光景を見つめるだけだ。それはそうだろう。普段は見かけない複数のキックボクサーが全身から気を発しながらパンチやキックを矢継ぎ早に繰り出しているのだから。
2月上旬、埼玉県さいたま市のBeWELLジムに、3月17日タイ国バンコク郊外のランシットスタジアムで開催される日本-タイ全面対抗戦に出場する日本代表が集結し、合同練習を行なった。
出席者はランシットスタジアム認定インターナショナルスーパーバンタム級王座決定戦に出場する志朗、昨年MA日本スーパーフェザー級王座を獲得するなど成長著しい中向永昌、1月下旬国内の試合で眼窩底を骨折したために今回の遠征を欠場せざるをえなくなった工藤政英の代打として出場することになったREBELS-MUAYTHAIフェザー級王者の清川祐弥、タイでも日本でも捲土重来を期す新日本キック協会認定フライ級1位の麗也、去る1月12日にJ-NETWORKスーパーライト級王座決定戦に出場したばかりの潘隆成 、そして今回の遠征メンバーの中では紅一点ながらJ-GIRLSピン級王者のキラッ☆Chihiro。

昨年7月に開催された日本-タイ5VS5マッチ第一弾の時にもBeWELLジムで合同練習は実現したが、その時タイ滞在中の志朗は欠場せざるをえなかった。今回のようにフルメンバーが集まるのは初めてのことだ。

シャドーで身体を温めたあとはミット打ち。ミットを持ってくれたのは、助っ人を買って出てくれた新宿レフティージムの浜川憲一会長とBeWELLの門番で元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者のガンスワンだ。試合まで1か月ちょっと。調整はみな順調に進んでいるようで、トレーナが持つミットに勢いよく左ミドルキックやヒザ蹴りを決めていた。
続いて行なわれたのは出場メンバーによるスパーリング。一順目は志朗VS清川、中向VS潘、麗也VSキラッ。スパーとはいえ、その組み合わせは新鮮としかいいようがない。実戦で男女対決はほとんどありえないが(過去に世界で数例あるのみ)、スパーだったらありだ。

異性とのスパーを大阪から駆けつけたキラッが振り返る。
「地元でも男性と一緒に練習するけど、首相撲とかちゃんとできる人はあまりいない。そういう意味で改めてムエタイって難しいなと思いましたね」
男性同士のスパーでは、実戦さながらに相手を崩す場面も見受けられた。二順目で志朗とグローブを交わした潘は充実した面持ちとともに回想した。
「他のメンバーは僕より経験がある。試合の組み立て方、マススパー・・・。全てが勉強になりましたね」
続いてのメニューはムエタイでは必須の首相撲。普段は同じ相手と何十分もかけて行なうケースもあるが、今回の合同練習はメンバー同士の親睦を深めるという意味もあったので、1ラウンド3分で計3ラウンド。1ラウンドが終わったら、それぞれパートナーを変えるという方法がとられた。
今回タイ側は「首相撲ができるメンバーを揃える」と宣言しているだけに、力のこもった首相撲が繰り広げられた。2大会連続でランシットスタジアム決戦に出場する中向は言う。
「いつも練習しているメンバーとは違うメンバー、しかもそれは志朗君や麗也君など他団体のトップとの練習だったので、自分にとってはいい刺激になりました」
計90分の練習時間はあっという間に過ぎていった。初めて合同練習に参加した志朗も満足そうだった。
「他団体の階級が異なるトップクラスと一緒に練習することができたので、試合とは違った緊張感があった。おかげで疲れましたけど(苦笑)」
試合後、ジム近くの焼き肉屋で鋭気を養った日本選手団。決戦当日、日本代表の決意を胸に彼らはどんな熱い戦いを繰り広げてくれるのだろうか。