グループエスカラデーPRESENTS HOOST CUP KINGS NAGOYA4
2018、5,20 名古屋国際会議場イベントホール大会
<トリプルメインイベント第9試合ISKAムエタイ世界Sバンタム級タイトルマッチ3分5R>
志朗(王者/KICK REVOLUTION) VS ゴンサロ・テバル(挑戦者・WPMF世界Sバンタム級王者/スペイン)
勝者:志朗 TKO2R2分43秒*右ボディーストレート*ゴンサロに2R、ボディーパンチと、右ストレートでダウン2あり。*志朗が防衛。
ISKA世界ムエタイバンタム級王者・志朗(KICK REVOLATION)に元WPMF世界スーパーバンタム級王者ゴンサロ・テバル(スペイン)が挑んだ一戦は2R2分43秒、志朗がKO勝ちを収め2度目の王座防衛に成功した。
1Rから試合の主導権を握ったのは志朗の方だった。緩急をつけたローキックでテバルを揺さぶり、チャンスと見るやローにワンツーをつなげていく。右ボディストレートや右ストレートさも有効だった。
的を絞らせない波状攻撃にテバルがディフェンスできない状況に追い込まれるまで時間はかからなかった。1R終了間際、志朗が右ローをダブルで打ち込むと、テバルはカットすることすらできなかった。
2Rになっても、志朗の勢いは止まらない。パンチで連打でリズムをとり、ボディストレートやローキックで削っていく。ムエタイの本場タイでの修行経験が長いテバルは組み合いやミドルキックのスキルには長けていたが、パンチの攻防になると対応しきれない。
志朗は攻撃の的をボディに絞った。左ボディアッパーで先制のダウンを奪う。なんとか立ち上がってきたテバルだったが、左の三日月蹴りを刺されるとさらに失速。右ボディストレートの追い打ちをかけられるとたまらずキャンバスに沈んだ。
試合後、V2に成功した志朗の声は弾んでいた。「イメージ通りの動きはできなかったけど、ローを効かせることができて良かった。次名古屋でやる機会があったら、強い相手とやりたい。日本人(相手)でもいい」
活動の拠点を置くタイでは″名門″ギャットペットジムに移籍して1年が経つ。レギュラー参戦中のルンピニースタジアムでは昨年12月以降3勝(2KO)1敗の好成績を残す。すでに次戦のオファーも来ているので、6月下旬にも同スタジアムのテレビマッチに出場予定だ。
(ライター布施鋼治)
HOOST CUP志朗ISKA世界ムエタイバンタム級王座防衛戦写真アルバムはこちら
世の中には星の数ほどチャンピオンが存在する。その中でいかにして保持するチャンピオンベルトに価値を見出すかといえば、防衛期限を守り、挑戦者に相応しい相手と防衛戦を重ねることが必要になってくる。見渡してほしい。チャンピオンベルトを勝利者賞のトロフィ代わりに持つ選手がどれだけ多いことか。その点、年一度の頻度で防衛戦を行う志朗の姿勢は評価される。
今回、ISKAが指名した挑戦者はゴンザロ・デバル。奇しくも前述したロペスと同じスペイン生まれのムエタイ戦士だ。現在WPMF世界スーパーバンタム級王者の肩書を持つというので、現役王者同士のタイトルマッチということになる。
挑戦者ゴンサル・テバル選手
ムエタイを始めたのは8~9年前。きっかけは小さい頃から格闘技が好きだったからと切り出した。
「とくに忍者映画が好きでした。スポーツの中ではムエタイが楽しく、自分に合っていた。やっていくうちにこの競技はひじょうに美しい文化であることもわかりました」
2014年のプロデビュー戦こそ敗北を喫したが、それを糧にロペスは躍進した。「勝利を重ね、いまはテレビ放送もあるスペインのビッグイベントに出場しています」
2017年7月にはコンドイ・カエウサムリッツを判定で撃破し、WPMF世界王座を奪取した。現在は母国だけではなく、タイにも頻繁に渡り、試合やトレーニングをしているという。
「正確な数は覚えていないけど、タイでは20戦以上していると思います。タイで練習の拠点としているのは、チェンマイ北部にあるサンタイジムです」
2017年5月志朗初防衛戦
サンタイジムといえば、昨年1月に志朗が劇的な逆転KO勝利を収めたバカイペットが所属するジムとして有名だ。ロペスはバカイペットからも何らかの情報を仕入れて来日することが予想される。案の定、志朗について聞くと、ロペスはよく知っていると答えた。「ユーチューブにアップされている試合も見ました。志朗からチャンピオンベルトを奪うための準備は整っている。もちろん志朗が強いことはわかっています。簡単には勝たせてくれないでしょうけど、闘い甲斐のあるチャンピオンだと思います。この一戦に向け、全てを集中して練習しています」
ロペスは根っからのアスリート。試合がない時にはラクビーに励み、プライベートではボクシング観戦に熱狂しているという。試合映像を見る限り、この男は離れてよし近距離よしのオールラウンドファイター。対戦相手が打ち合いにくれば、それに応じる気の強さも持ち合わせている。
Photo:早田寛
勝負は、ロペスがどれだけ志朗のローキック対策をしてくるかにかかってくるのではないか。志朗のパンチに得意のカウンターを合わせることができれば、おのずと勝機も見えてくるだろう。ふたりの共通項はムエタイのリズムを体の芯で知っているということ。ラウンドごとに試合の流れが目まぐるしく変わるテクニカルな試合展開に期待したい。
2ラウンドも志朗は右ローからつめてゆく。志朗の右ローのタイミングが良く、そこからの右ストレートやボディーへのパンチも脅威となっていた。
終盤、ジャオスアヤイは足が効いてきてきいるのか、苦し紛れ?にも見える飛び膝蹴りを放った。
もちろんこの飛び膝は当たるはずもなく、志朗のローキック攻撃が続いてゆく。
志朗の攻撃ヒット数が多いため、場内賭け率も志朗有利5-2と差が開いてゆく。
志朗の勝利に賭けているギャンブラーが多い証拠といえた。